Cases 当院での症例実績
症例01 骨造成(23歳・男性)
インプラント治療
Before
After
基礎データ | 23歳・男性 |
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治療期間 | 3年 |
治療費 | 250万円 |
主な治療 | 抜歯・歯列矯正・骨造成(GBR)・インプラント埋入・クラウンブリッジ補綴・歯肉形成 |
治療計画 | 重度垂直的欠損に対して、厚みと固さのある歯肉(角化歯肉)の量を増やし、歯槽堤の幅・高さを増大する手法(インターポジショナルグラフト)で対応します。 不足している角化歯肉の幅の上皮を含む結合組織を移植して、フラップを唇側にずらして移植された組織と重なるように固定することで、既存の組織が理想の審美領域に移動します。これにより角化歯肉の量が増加し、唇側に歯肉の幅と高さを増やすことができます。 |
治療の流れ
STEP1 術前検査と治療計画
歯槽骨や歯肉が退縮し、ブリッジ上部構造(ポンティック)との間に隙間ができてしまっています。
そのため大規模な骨造成を行ったうえで、インプラント治療を行います。
厚みや固さをもち、歯を支える土台となる歯肉(角化歯肉)が痩せてしまっているため、審美・機能ともに低下し、このままでは補綴をやりなおすことができません。
角化歯肉を取り戻すための骨造成を行いますが、復元する量が多いため、何回かに分けて段階的に移植手術を行います。
STEP2 抜歯・CT検査・治療計画立案
将来残すことが困難な歯(予後不良歯)を抜歯します。
抜歯後の状態から欠損部分をCTで立体的に分析し、組織の欠損部分を確認。
上顎4本の歯を欠損した状態ですが、上顎右4番(第一小臼歯)を3番(犬歯)の代用とすることで、3本分の歯の欠損として扱い、インプラントによる補綴治療の計画を立案します。
犬歯(中切歯)はアンテリアガイダンス(前歯誘導)とよばれる、噛み合わせのコントロールに重要な役割を持つ歯です。今回は、右の犬歯をブリッジによって大きく欠損して残せないため、隣の小臼歯を移動させて成型し、犬歯として利用します。
STEP3 インプラント埋入と段階的な歯槽骨の再生治療(GBR=Guided Bone Regeneration)
インプラントを3本埋入し、歯槽骨が痩せてしまった部分には、再生治療を行います。
造成する量が多いため、何段階かに分けて、微調整をしながら増やしていきます。
手術中も人工歯のテンプレートを患部にあてて、必要なボリュームを適宜確認しながら、欠損部分に移植材を移植し、骨の量を増やします。
崩れた歯槽堤を復元するために、チタンメッシュで移植材の周りに形をつくり固定します。
手術には、おもに患者さまご本人の自家骨削片とDBBM を混合したものと、チタンメッシュ、コラーゲン膜を使用しました。7か月後には硬組織の再生が認められました。
一度の再生治療では充分でなかった部分に対し、段階的に追加手術を行ったことで、最終的に必要な量の硬軟組織が得られました。
STEP4 矯正(前歯の挺出)
インプラントのアバットメントを連結します。
その後、矯正用のワイヤーを装着して、高さが不足していた上顎左2番の歯を少しずつ引っ張り出します(挺出)。
ブリッジによって、成長期に萌出が抑えられてしまった部分の歯を引き出します。
歯の高さをそろえ、見た目も美しく、正しい噛み合わせへと導きます。
STEP5 仮歯による歯肉の形成と、補綴物の試作・調整
仮歯を装着しながら、美しい歯肉を立体的に再形成(ティッシュリモデリング)していきます。同時に、最終人工歯装着前の仮歯による試作・調整(プロビジョナルレストレーション)を行い、理想的な人工歯が完成するよう微調整します。
さらに最終人工歯装着前の仮歯による試作・調整(プロビジョナルレストレーション)を行い、噛み合わせや見え方を考慮して、最も理想的な人工歯が実現できるよう微調整をしていきます。
STEP6 人工歯を装着して治療完了
最後に、最終人工歯(ブリッジ)を作製・装着して、治療完了です。
段階的な骨造成とインプラント治療の併用によって、見た目の美しさ(審美)と健康な噛み合わせ(機能)が回復されました。
歯槽骨と歯肉が増え、自然な弾力とラインを取り戻せたため、最終人工歯を装着した後は、天然歯と人工歯の区別がつかないほどの自然な仕上がりが実現しました。
治療9年後も、良好な状態を保っています。
インプラント治療におけるリスクや副作用の詳細説明
一般的にインプラント治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。
- 外科手術
- インプラント埋入は侵襲の差こそあれ、いずれも外科手術が必要となります。
口腔や顎骨に関わる外科手術によって以下が生じるリスクがあります。
・神経の圧迫や損傷による麻痺
・血管損傷による多量出血
・術後の腫れと内出血によるあざ
腫れやあざは、多くの場合時間の経過とともに自然にひいていきます。もし痛みがある場合は、鎮痛剤などの処方を行います。
またなるべく低侵襲な治療法を選択することで、負担の少ない治療を行います。
そして神経損傷などのリスクを回避するために、当院ではCT撮影による精密診断で神経や血管の位置をより正確に把握し、治療計画を立てています。 - 顎骨・歯周組織の影響
- 患者さまの顎骨や歯周組織の状態によっては、インプラント埋入ができない場合があります。
また埋入した場合でも、治療後の成功率や予後に差が生じます。
もし顎骨や歯周組織が吸収、退縮してしまっている場合は、骨造成や骨移植などの手術を併用します。
しかしながら、骨の質が硬すぎる、あるは軟らかすぎる場合は、埋入後のインプラントが抜け落ちやすいというリスクがあり、これは実際に手術をしてみないと判別しません。骨の質は個人差があり、精密検査ですべてを把握することはできません。 - メインテナンス
- インプラント自体は虫歯になることはありませんが、支える歯肉は歯磨きなどのケアを怠ると歯周病のように炎症を起こし、やがて顎骨まで溶けてしまいます。これをインプラント周囲炎といい、重度に悪化すると、インプラントが抜け落ちてしまいます。
これを防ぐため、治療中や治療後に毎日ご自宅で正しい口腔ケアを続け、治療完了後も定期的に通院してメインテナンスやクリーニングを受け、良好な状態を維持していただく必要があります。
噛み合わせも日々変化し、治療当時の状態が続くわけではないので、当院では治療後も定期的に噛み合わせのチェックをしています。 - 生活習慣
- 歯周組織が健康な状態でないと、適切なインプラント治療を行うことが難しくなります。
喫煙、過度な飲酒、糖尿病は、歯周組織の治癒を遅らせ、インプラントの成功率を低下させます。
したがって当院ではインプラント治療に際して、禁煙・減酒をおすすめしています。
矯正治療におけるリスクや副作用の詳細説明
一般的に矯正治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。
- 歯痛
- 装置を調整した直後などに、歯を移動する際に歯痛を感じることがありますが、正常な反応であり、問題ありません。症状によっては鎮痛剤などを処方します。
- 虫歯・歯周病
- 矯正装置を付けることで口腔内の清掃がしにくくなり、プラーク(歯垢)が残って、虫歯や歯周病にかかるリスクが高くなります。これを予防するために、当院では矯正治療前にブラッシングなどご自宅での口腔ケア指導を徹底し、矯正治療中の通院時に定期的なクリーニングを行っています。
- 口内炎
- 歯に付いた矯正装置が口腔粘膜に当たることで、刺激となり、口内炎などを起こすことがあります。もし痛みがある場合は、塗り薬や装置をカバーするワックスで対処します。多くの場合は、装着して1週間以上経過することで装置に慣れ、自然に解消します。
- 会話・食事の弊害
- 矯正装置を付けることで、発音のしにくさや、咀嚼のしにくさを感じることがあります。
しかしほとんどの場合、装置に慣れることで、発音や咀嚼の不自由さが解消されていきます。
また装置に粘着しやすいキャラメルなどの食品や、装置の破損につながる硬い食品は、矯正中は避けた方がよいでしょう。 - 歯肉退縮・歯根吸収
- もともと歯周病を患っている方で、口腔内の清掃が不充分な場合に、矯正中に症状が悪化して歯肉退縮したり、歯牙移動によって歯根吸収を引き起こしたりする可能性があります。そうしたリスクを回避するため当院では、装置を付ける前に歯周病や虫歯治療を行い、落ち着いた状態になってから、矯正治療を開始しています。
- 抜歯
- 症例によっては、歯を並べるスペースを確保するために、抜歯が必要となる場合があります。抜歯をしないことで歯が傾くなどのリスクや、治療結果に違いが生じる可能性があります。そのため事前にきちんとご説明をし、患者さまにご納得いただけた場合のみ抜歯を行っています。
- 後戻り
- 矯正して移動させた歯には、元の位置に戻ろうとする力が働きます。これを後戻りといいます。後戻りを防いで、歯を正しい位置に定着させるため、装置除去後にリテーナー(保定装置)を装着する必要があります。リテーナーの装着を怠ったり、歯ぎしりや口呼吸など歯並びを悪化させる癖を繰り返したりすることで、大幅に後戻りしてしまいますのでご注意ください。
- 矯正治療の限界
- 症例によっては、顎骨を切断する手術が必要になったり、そもそも矯正治療では改善できないケースもあります。また顎口腔機能を悪化させると診断されるケースでは、ご希望に添えないことがあります。
歯周組織・骨造成治療におけるリスクや副作用の詳細説明
一般的に歯周組織・骨造成治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。
歯周病は症状に応じて、歯面清掃、スケーリング、ルートプレーニング、レーザー治療を、重度の場合は、歯肉を切開するフラップ手術(歯肉剥離掻爬術・FOP)や、骨移植、GTR、エムドゲインなどの歯周組織再生手術といった歯周外科治療を行います。
また歯槽骨が少ない場合、骨造成・再生療法を行なうことがあります。
- プロービング、歯面清掃、スケーリング
- プロービング(歯周病検査)や、専用の器具を使って歯石やプラークを除去する治療に際して、症状や個人の感覚によっては、チクチクとした痛みを感じる場合があります。その場合は麻酔を行います。
またこれらの処置によって少量の出血が起こる場合がありますが、すぐに治まり問題ありません。 - ルートプレーニング(SRP)
- 通常のスケーリングのみでは除去できない、歯周ポケット内の歯根表面の歯石を取り除き、軟化してしまったセメント質などを除去した後、歯根面を磨いて、硬く滑らかに仕上げる治療で、麻酔をして行います。まれに処置後に知覚過敏などを生じる場合がありますが、歯根膜が再生することで改善します。
- レーザー治療
- レーザーで歯周ポケット内の細菌を殺菌させる治療法がありますが、適応できる症状が限られるうえ、臨床データが少ないとの理由から有用性がまだ確立されていない治療とされています。
レーザー治療は多くの場合、ほかの治療法と併用して行われます。 - 歯周外科治療
- 重度の場合は、歯肉を切開・剥離・縫合するフラップ手術(歯肉剥離掻爬術・FOP)などの外科処置を行います。
歯根を露出させてスケーリングやルートプレーニングを行うため、歯根面の歯石をしっかりと除去できる反面、まれに治療後に歯肉が下がって、歯が長く見えるなどの場合があります。
切開手術であるため、患部が治癒するまで腫れや痛みがともない、手術直後は食事がある程度制限されます。術後は処方された鎮痛剤や口腔洗浄剤などを適宜使用いただき、治癒を促進します。 - 骨造成・再生療法
- 歯槽骨や歯周組織が吸収されて少なくなっている場合、骨移植、GTR、エムドゲインなどの歯周組織再生手術といった歯周外科治療を行います。多くの場合、歯肉の切開・剥離・縫合が必要であるほか、使用する薬剤が体質に合わないなどのリスクがあるため、持病やアレルギーのある方は必ずお申し出ください。
- 生活習慣
- 喫煙、飲酒は歯周組織の治癒を悪くさせるほか、睡眠不足や過労も歯周組織炎症の原因となります。
また指導された通りに毎日ブラッシングを続け、定期的に通院してチェックやケアを受けないと、すぐに歯周病が再発してしまいます。
そのため、上記の注意事項を守れない方は、治療そのものが難しいうえ、もし治療しても予定通りの結果が得られませんので、ご理解とご協力をお願いします。 - ほかの治療との併用
- 歯周病を患う方が、インプラント治療、歯列矯正、ホワイトニング、審美治療などほかの治療を希望される場合、先に歯周病を治療しておく必要があります。歯周組織の治癒期間を設けるなど、段階を分けて治療を進めますので、ある程度の治療期間を要することをご了承ください。
審美治療におけるリスクや副作用の詳細説明
一般的に審美治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。
- 審美補綴治療
- 詰め物・被せ物などの人工歯で歯を補う治療を、補綴(ほてつ)治療とよびます。
- メタルボンドや前装冠など、見た目は白くても金属を含む補綴物は、金属アレルギーの原因となる可能性があります。金属アレルギーの方は、補綴物の素材を選ぶ際にご注意ください。
- 選択する補綴物の素材や治療法によって、歯を削る量が異なる場合があります。治療前に医師にご確認ください。
- ラミネートべニアやブリッジなどで治療する場合、健康な歯をわずかに削る必要があります。最小限にとどめるよう配慮しますが、ご了承ください。
- 一般的に審美補綴で用いるセラミックやジルコニアなどの素材は、保険適用外となり、その種類に応じて治療費が異なります。それぞれの耐久性の違いや、メリット・デメリットを確認したうえで、お選びください。
- 見た目が向上する治療であっても、噛み合わせや歯の強度・耐久性などに悪影響があると判断される場合は、ご希望の補綴物や治療法にお応えいたしかねますので、ご了承ください。
- ホワイトニング
- 歯の黄ばみを分解し、白くするための処置をホワイトニングといいます。
- もともと歯に亀裂がある方や、象牙質が露出している方、虫歯のある方は、ホワイトニング剤により知覚過敏が生じる場合があります。
知覚過敏のリスクが高い場合は、ホワイトニング薬剤をより低濃度のものに変更したり、照射時間を短縮したりするなど、調整を行います。 - オフィスホワイトニングはホームホワイトニングに比べ、薬剤の濃度が高いため、唇や歯肉などの組織に付着しないようマスキングを施したうえで処置を行います。
- ホワイトニング剤を塗布する際に、ピリッとした痛みを感じる場合があります。
これは一時的に歯の表面のエナメル質が脱灰するために起こる反応で、問題ありません。 - ホワイトニング後に一時的に知覚過敏の状態になっても、時間の経過とともにエナメル質が再石化して改善していきます。
- 虫歯や歯周病の方は、ホワイトニング前に、治療を済ませておく必要があります。
また、歯石や茶渋などの汚れも、先にスケーリングやクリーニングで除去しておきます。 - 以下に該当する方は悪影響のリスクがあるため、原則ホワイトニング治療をお控えください。
・無カタラーゼ症の方
・光過敏症の方
・妊娠中・授乳中の方
・14歳以下の方
・虫歯、歯周病の治療が完了していない方
・知覚過敏、歯に亀裂のある方
・取り外しできない矯正装置を付けている方 - 歯の色には生まれつき個人差があり、ホワイトニングでは白くならない場合があります。ご了承ください。
- もともと歯に亀裂がある方や、象牙質が露出している方、虫歯のある方は、ホワイトニング剤により知覚過敏が生じる場合があります。
・掲載されている症例はすべて、当院で治療を完了し、サイト掲載の許可をいただいた患者さまのものです。
・症例写真はトリミング(切り抜き)などを除き、画像の加工等は行っていません。
・治療はすべて各患者さま固有の症例に対応したものであり、ほかの方への治療結果を保証するものではありません。